「Gregory(グレゴリー)」は、登山用バックパックの世界でロールスロイスと称される名ブランドです。その品質の高さは多くの登山者が認めています。では、彼らが絶賛するグレゴリーのバックパックには、どのような魅力があり、どのアイテムが特におすすめなのでしょうか? 魅力とおすすめの商品を聞いてみました。
女性向けのテント泊に最適なバックパック「ディバ」:おすすめ①
まず、テント泊に人気のある女性向けのバックパックとして、定番の「ディバ」(男性向けは「バルトロ」)をおすすめします。
グレゴリーのバックパックはサイズ展開が豊富で、「ディバ」もXS・S・Mの3サイズが用意されています。小柄な女性にもXSサイズがある点はありがたいですね。
ヒップベルトは正面から見てハの字状に取り付けられています。
さらに、グレゴリーの特徴である「快適な背負い心地」は、「ディバ」でも存分に体感できます。特に背負い心地に影響を与えるヒップベルトは、本体に接続する部分がハの字状になっています。このデザインにより、荷重が腰に均等に分散されるように工夫されています。
ボトルポケットは、手の動きを考慮して斜めに配置されています。
細部の使いやすさに注目すると、側面にあるボトルポケットが非常に便利です。サイドポケットは一般的な機能ですが、「ディバ」のボトルポケットは筒状に設計されており、バックパックを背負ったままでもボトルをスムーズに取り出せます。
登山中にありがちな状況として、バックパックを下ろすほどではないが喉が渇いて水を飲みたいという場面があります。そのようなとき、「ディバ」なら立ったままボトルにアクセスして水分補給ができるので便利です。
また、「ディバ」のもう一つの特徴は、ヘッドクリアランスの広さです。たとえば、お気に入りの帽子をかぶっているときに、後ろのつばがバックパックに当たるとストレスを感じます。しかし、「ディバ」は、本体上部のフレームが後方に曲がっているため、ヘッドクリアランスが確保されています。
わずかなストレスも時間とともに疲労を引き起こします。このような配慮が感じられるデザインから、グレゴリーの高品質が伝わってきます。
山小屋泊に最適な「メイブン」:おすすめ②
もう1つおすすめしたいのが「メイブン」(男性向けは「パラゴン」)です。このモデルは山小屋泊のトレッキングに最適です。
「ディバ」と同様に、「メイブン」もXS/SM、SM/MDの2つのサイズ展開があり、背負い心地も素晴らしいです。使用目的によって異なる容量の荷物を考慮すると、「ディバ」と「メイブン」の違いが明確になります。テント泊か山小屋泊かなど、登山計画に合わせて選ぶと良いでしょう。
サイドポケットがあり、奥の荷物にも簡単にアクセスできます
使い勝手の面では、荷室へのアクセスが可能なサイドファスナーに注目してください。これにより、奥にしまったレインウェアや着替えなどに簡単にアクセスできます。サイドファスナーまたはフロントファスナーの有無は、使用上の便利さに大きく影響します。バックパックを選ぶ際には、ぜひ確認してください!
通気性はそのままでフィット感が向上した「ズール」:おすすめ③
私がおすすめするのは、今年リニューアルされた「ズール」(女性用は「ジェイド」)です。このモデルは、背面とバックパックの間に空間を確保し、通気性を高めることで人気を博しています。さらに、背面の長さを調整できる機能も魅力的です。
バックパックを選ぶ際には、背面の長さが体に合っているかどうかが重要です。背面の長さを調整すると、驚くほど快適な背負い心地を体感できることもあります。
一部のモデルでは背面の長さを変更できないものもありますが、「ズール」は2つのサイズから選ぶことができ、さらに体型に合わせて背面の長さを調整できるので、多くの方にフィットするバックパックと言えます。
ヒップベルトの両側に指を入れられるほどのスペースがあり、柔軟な動きが可能です
フィット感も背面の長さと同様に重要です。バックパックを選ぶ際には、ショルダーハーネスやヒップベルトを締めたときに違和感がないかどうかも確認してください。「ズール」はこのシーズンのリニューアルで、ヒップベルトのパッドが厚くなり、背負った際の安定感とフィット感が向上しました。
また、「ズール」のヒップベルトは、腰の動きに合わせてフィットするように設計されています。これにより、快適なフィット感を実現しています。このフィット感の高さは、グレゴリーの真髄とも言えるでしょう。
「ズール」のリニューアルには他にもポイントがあり、サイドポケットにマチが追加され、ボトルの出し入れが容易になりました。
また、ヒップベルトに備えられたポケットのサイズも見直され、大型のスマートフォンでも楽に出し入れできるように改良されています。
手頃な価格が魅力の「スタウト」:おすすめ④
もう1つ紹介したいのが「スタウト」(女性用は「アンバー」)です。このモデルは、高機能ながら「ズール」よりも手ごろな価格で提供されるエントリーモデルです。背負い心地やフィット感を重視しつつ、予算を抑えたい方におすすめです。
「スタウト」は山小屋泊向けの35Lや45Lに加えて、テント泊に対応した60Lもラインナップされています。サイズ展開は一つですが、「ズール」と同様に背面長を調整できるので、自分に最適な背負い心地を得ることができます。
ヒップベルトの長さはベルクロテープで無段階に調整できます。
さらに、「スタウト」の大きな特徴の一つは、ヒップベルトの長さを調整できることです。細かな調整を施して、自分だけのフィット感を見つけてください。
贅沢な機能を備えた「ミコ」:おすすめ⑤
今回ご紹介するのは、「ミコ」です。男性向けは「ミコ」、女性向けは「マヤ」となります。
これらは昨年まで販売されていた男性向けの「ミウォック」と女性向けの「マヤ」をリニューアルした新製品で、迅速なアクションを求められる山行を意識して開発されました。
サイズ展開は一つですが、「ミコ」と「マヤ」の両方に、15L、20L、25L、30Lの4つの容量が用意されています。
リニューアルされた背面パネルは、中央のくぼみと側面の溝が優れた通気性を提供します
リニューアルの主なポイントは背面パネルです。以前のモデルでも、背面との接触面積が少なく通気性の高いパネルが採用されていましたが、汗の排出に関しては不十分でした。
そこで、今回のモデルでは従来とは異なる3Dフォームパネルが採用されました。背中で最も汗をかきやすいとされる脊柱部分がくぼまれ、通気性が向上しました。さらに、両サイドのフォームが波状に設計され、背中への接地面積を減らしつつ空気の通り道を確保しています。これにより、快適性が大幅に向上しました。
新しくなったショルダーハーネスは、横揺れを抑制しつつ縦方向に伸び、肩への負担を軽減します
ショルダーハーネスの素材も改良されました。以前は縦横に伸縮する素材が使用されていましたが、今回のモデルでは縦方向にのみ伸縮する素材に変更されました。これにより、安定性が向上し、バックパックの横揺れが軽減されました。
ミコの背面パネルは、ベルクロテープで背丈を無段階に調整できます
また、個人的に気に入っている特徴の一つは、背面の長さを調整できる機能です。実は、グレゴリーが提供する全ラインナップの中で、20Lクラスで背面の長さを調整できるのは「ミコ」と「マヤ」だけです。
背面パネルの通気性と快適な背負い心地が向上し、さらに体型に合わせて背面の長さを調整できるため、このような贅沢な機能を備えた小型パックは、他のメーカーでは見られないでしょう。スピードハイキングだけでなく、日帰りハイキングから検討していただきたい、今年のおすすめモデルです。
創業当時から続く不朽の名作「デイパック」:おすすめ⑥
「デイパック」のカラーバリエーションは、定番のブラックからカモフラージュ柄まで豊富に用意されています。
もう一つ注目していただきたいのが、グレゴリーを代表する名品「デイパック」です。このモデルはクラシカルなデザインに焦点が当てられがちですが、実際にはグレゴリーの信念が背負い心地に随所に見られる製品でもあります。
その中でも注目すべき点の一つが、三日月型のボトムです。このボトムは中央で2つに分かれ、背中を包み込む構造となっています。このデザインは、背中にフィットする背面パネルの構造を考え抜いて生まれたものです。さらに、ショルダーハーネスにはEVAと呼ばれる非常にクッション性の高いパッドが使用され、肩への負担を軽減します。
「デイパック」はグレゴリーが1977年に創業して以来続くロングセラーです。今でも非常に人気があり、多彩なカラーバリエーションから自分のスタイルに合った一色を選ぶことができます。日常の中でも、グレゴリーが提供するバックパックの優れた背負い心地をぜひ体験してみてください。
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