――大阪大学の研究が教えてくれる、今日からできる健康習慣
「歯は大事」
誰もが一度は聞いたことのある言葉ですが、まさか寿命と関係していると言われたら、どう感じるでしょうか。
実は最近、大阪大学などの研究チームが行った大規模な研究で、
歯の本数や状態が、その後の死亡リスクと関係している可能性が示されました。
しかもこの研究、対象は約19万人。
決して一部の人だけの話ではありません。
今回は、「歯と寿命の意外な関係」について、できるだけ分かりやすくご紹介します。
歯の数が多い人ほど、長生きしやすい?
研究チームが調べたのは、75歳以上の高齢者の
- 歯の本数
- 歯の状態(健康か、治療済みか、虫歯のままか、抜けているか)
- その後の死亡率
というデータです。
結果はとてもシンプルでした。
「健康な歯」や「きちんと治療された歯」が多い人ほど、死亡リスクが低い
という傾向がはっきりと見られたのです。
逆に、
- 歯がほとんど残っていない
- 虫歯があるのに治療されていない
こうした状態の人ほど、亡くなるリスクが高くなる傾向がありました。
特に印象的なのは、
歯が1本もない人は、20本以上歯がある人に比べて死亡リスクが約1.7倍だったという点です。
「治療した歯」も、立派な健康な歯
ここで意外に思う人も多いかもしれません。
この研究では、
治療された歯(詰め物や被せ物がある歯)も、健康な歯と同じように“良い歯”として働く
ことが分かりました。
つまり、
- 虫歯をきちんと治している
- 定期的に歯医者に通っている
そうした人は、
「歯を失わずに健康を保っている人」と同じグループに入るのです。
一方で問題なのが、
虫歯があるのに放置されている歯。
これを単に「歯が残っている」と数えてしまうと、
健康状態を正しく判断できなくなることも分かりました。
なぜ歯が寿命と関係するの?
「歯と命がどうつながるの?」
そう思いますよね。
研究者たちは、いくつかの理由を挙げています。
① 体の中で“炎症”が広がる
虫歯や歯周病を放置すると、口の中で慢性的な炎症が起こります。
この炎症が血流に乗って全身に影響し、
心臓病や糖尿病、認知症などと関係する可能性があるのです。
② 食事が偏りやすくなる
歯が少ないと、
- 硬いものを避ける
- 食べやすいものばかり選ぶ
結果として、栄養バランスが崩れやすくなります。
これは体力や免疫力の低下にもつながります。
③ 生活習慣の「見えないサイン」
歯の状態は、その人の
- 生活習慣
- 経済状況
- 健康意識
を映す鏡でもあります。
歯のケアができていない背景には、他の健康リスクが隠れている場合もあるのです。
8020運動は、やっぱり正しかった
日本では長年、
**「80歳で20本の歯を残そう」**という「8020運動」が進められてきました。
今回の研究結果は、
この取り組みが単なるスローガンではなかったことを科学的に裏付けています。
しかも重要なのは、
20本「全部が天然歯」でなくてもいい
という点です。
治療された歯も含めて、しっかり使える歯を残すことが大切
――それが今回の研究から見えてきたメッセージです。
今日からできる、たった2つのこと
この研究を読んで、私たちができることはとてもシンプルです。
① 定期的に歯科健診を受ける
痛くなってからではなく、
「何もなくても行く」ことが、結果的に歯も命も守ります。
② 虫歯を放置しない
小さな虫歯でも、放っておくと全身に影響する可能性があります。
治療済みの歯は「マイナス」ではなく、むしろ「プラス」です。
歯は、一生付き合う「健康のパートナー」
歯の話は、子どもから高齢者まで、
誰にとっても他人事ではありません。
今回の研究が教えてくれるのは、
「歯は見た目や食事のためだけのものではない」ということ。
歯を大切にすることは、自分の未来を大切にすること
そう考えると、今日の歯磨きや次の歯医者の予約が、少し違って見えてくるかもしれません。
あなたの歯は、今日もあなたの健康を支えています。
どうか、その小さなパートナーを大切にしてください。


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